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雑多です

推しが結婚した。一か月前のことだ。

 推しが結婚した。1か月前のことだ。

 名前はあえて言わない。

 ただ、そのひとの活動にはガンガン触れていくので、誰のことを書いているのかはあっという間にわかるだろうと思う。

 でも、別にこの日記でバズりたいとか、そのひとの担当さんを責めたりなにかのシンボル的になったりすることも望んでいないので、気付く人には気付いていただき、気付かない人には永遠に気付かれなくてもいい、そういう気持ちでこの文章を書いている。だから、せめてもの抵抗で名前だけは書かないつもりだ。

 推しブログとか担降りブログとかお気持ち表明ブログとか、そういうものが世にあることは知っていたけど、書こうと思ったのは初めてだ。

 なぜわざわざ言語化しようと思ったのかと言うと、自分が、他の人達とはだいぶ違う受け止め方をしているのではないかということに気付かされたから、としか言えない。

 こういうファンも居るのだという一例としてご笑覧いただければ幸いである。

 

 

 私がそのひとの存在を知ったのはおそらく2012か2013年。

 図書館で予約1位になっていた小説を「へえ〜人気あるんだ〜」という単純な興味で予約して読んだことから始まる。

 当時、幼稚園児の子育て真っ最中だったこともあり、図書館にはよく通っていた。私は自他ともに認める本の虫で(読了冊数が年間100冊を下回ることはまずない)、子供の絵本を読む、本に親しませることに関しての情熱も人一倍あったと思う。

 また子育て中で仕事をしている方ならご理解いただけると思うが、その頃、私が観るテレビ番組はほとんど子供向け番組だった。あと、録画して観る少しのドラマやアニメ。

 また、当時の私は2次元と声優コンテンツの方に興味が向いていて、某事務所には一般的な知識があるくらい。プラス、自分が学生時代はバレーボールをやっていたこともあり、バレーボール観戦が趣味だった。だから、バレーボールでデビューしたグループの名前くらいは知っている(個人名はほぼ知らない)、という程度だった。

 ので、図書館の予約ランキングで名前を見、帯もついていない『ピンクとグレー』は、私にとって、名前も知らない作家の、やたら人気の作品、というだけの存在だった。

 そして、その本は面白かった。

 はじめましての作家さんの文章は大概前半飲み込むのに苦労をする。もれなくこの作品もそうだった。が、後半はもう一気。やめられなかった。

 なんだよ! もっと早く教えてよ! 他の作品も読むわ! と参照した著者近影とプロフィールで初めてそれが某事務所のアイドル様の書いたものだということを知った。

 今思い出しても幸運な出会いだったと思う。

 私は作家になりたかった人のはしくれなので、芸能人が書いた本を当時毛嫌いしていた。有名なら書けていいね! と思っていた。(叩いたりはしないけども)だからきっと、知っていたら手に取ることはなかった。

 でも、先入観なしで読んだ結果、ぶん殴られたのだった。

 だってもう好みだって思っちゃってたのだ。

 今更その感情自体は取り消せない。

 というわけで、芸能人だって本書くよな…だって兼業作家いっぱいいるんだもんな…に鞍替えを迫られた。おかげさまで芸能人の書いた本もいまは普通に楽しめます。ありがとう。

 

 話が盛大にそれてしまった。

 とにかく2012年頃に『ピンクとグレー』を読んで、私はそのひとの名前を覚えた。が、正直なところ、小説にしか興味がない。

 だけど、『閃光スクランブル』は発売されてすぐに買ったし、『burn』も買った。『傘を持たない蟻たちは』は好きすぎて、2冊買って人に勧めまくった。とにかく好きだった。

 とにかく小説が好きだった。

 やるせなくて痛々しくて、時々むき出しで、でも愛おしかった。愛情なんてって口にしてそうだけど、結局人間のことを好きな人なんだなと思った。

 この時の私は未だに作家としか認識していなくて、歌番組で四人を見ても、どれが誰だかすらわかっていなかった。

 でも今思い出せば、私は『金八先生』も『カクレカラクリ』も『パパとムスメの7日間』も『失恋ショコラティエ』も観ていた。(ちなみに同グループのメンバーさんの映画やドラマも観ていた。『レジデント』とか大好きでした)のに、私はそのひとがその文章を書いたのだということを認識できていなかった。

 このまま小説家としてだけ好きでいるのかと思いきや、転機が訪れる。

 

 そう。

 タイプライターズ。

 私の沼落ちの大きな要因、タイプライターズ。

 

 先程も書いたように、私は自他ともに認める本の虫だ。本の番組は大好物。週刊ブックレビューを毎週録画していたくらい。

 また、「太宰治が大好き」な又吉さんにものすごいシンパシーを抱いていた。太宰治で卒論を書いた筋金入りの文学部卒の学生だった。

 で、「この名前!! 知ってる!!」と喜び勇んで観たタイプライターズ。

 顔を覚えた。

 そして「あのときのあの役のあいつ!! おまえだったのか!! あの小説を書いたのは!!」と遅い気付きを得た。

 私は湊かなえさんの回がとにかく好きで、何回見たかわからない。

 そしてFCへ。

 他のメンバーのことも好きになり、NEWS友達もでき、ライトなファンのつもりがずぶずぶと沈み始め、今や窒息寸前まで沈んでいる自覚はある。

 

 でも。

 私はそのひとが結婚したと聞いて、ほんっっっとうに、ほんっっっっっとうに、嬉しかったのだ。

 

 鍵アカなので実物をお目にかけることはできないが、発表の会ったその日のポスト。

 

マジで声出た

 

えっおめでとう!!!

 

NEWSと小説続けてくれたらぜんっぜんなんでもだいじょぶです

 

あんなかつじさんといっしょにいて、インド行ったりアメリカ行ったり映画見て本読んで音楽作っててどーやって恋愛するんだ笑笑笑

すげーな

 

でもなれのはて読んでて、あー結婚に対して割とやわらかい気持ちになってんだなーとは思ったなー。昔は結婚まじ嫌みたいなトークしてたよねー

 

20周年が全部終わるまで待っててくれたんだなぁ

 

 

以上。

 

 私は結局、最初から最後までとにかく嬉しかったし、家にクラッカーがあれば鳴らしただろうなと思う。

 夜に一人で乾杯もした。

 嬉しかった。

 結婚が今後の幸福を確約してくれるものでないことは重々承知しているけれど、でもそれでもそのひとが「一人で人生を生きていかないで済むのだ」ということが、私はとても嬉しかった。

 

 そもそもそのひとは恋愛や結婚といったものに懐疑的なことを口にすることが多かった。なんか若い頃に痛い目見てんだろうなと思いながら見ていた。でも、懐疑的で否定的なくせに、運命の恋みたいなものへの憧れというか、そういうものが実在すると信じているところがそのひとにはあった。あったと思う。

 なんもかんも忘れて引きずり込まれるような恋愛への憧れというか、そういう抗いがたいものへの憧れみたいな思い。

 その反面で、そのひとは自分の仕事だとか立場だとかいうものを気にする人でもあった。

「このひと素敵だな、好きだな、と思っても、その気持ちには水をやらないで枯らす」といった趣旨の発言をそのひとはしていた。だってこういう仕事なんだし、そういうのは当たり前でしょとでも言いたげにそれを言った時、私はたいそう悲しくなった。

 そんな悲しい決意は要らない。

 そんな思いをすることが当たり前だと思ってそのひとが生きていくことは本当にほんっっっとうに嫌だと思った。

 だから、「水をやらなくても」枯れなかった、抗いがたい運命みたいなものに、そのひとが出会ったのだと思ったら、嬉しかった。

 

 けれど、うれしー!!と叫ぶ私の周りでは、傷ついた、降りる、嫌いになりたい、ひどい、好きだから祝福したいけど愚痴は言わせて!、の声が大多数で、「既婚者がいたらファン減るからもう終わりだね、二度とドームとか立てないわ」「二十周年やる気なんかなかったんだ」「終わった途端に待ち構えたみたいにしやがって」みたいな暴言もちらほら見かけた。

 私は上げた諸手をゆっくりとおろして、Xをしばらく開かなかった。

 その間に、お気持ち表明ブログとか担降りブログとかがぶわっと広まった。2週間ほどしてから、私もいくつかは見た。

 そういうブログに書かれた気持ちを、否定はできない。

 そうなる、ということがわかっていたから、そのひとは「水をやらない」と言っていたのだろうということもわかった。

 

 だけど。

 だから。

 一度くらいは声を上げてみようと思ったのだ。

 

 私、心から嬉しいよ!!

 おめでとう!!

 結婚おめでとう!!!

 幸せになってね!

 そんで、ファンの前でいっぱい笑ってね!

 幸福な基盤の上で、その上で、踊って歌って笑って、小説を書いてね!

 

 もしも子供ができたりしたら、きっとまた書くものが変わるよね。

 その子供が大きくなったりしたらきっとまた歌い方が変わるよね。

 そういうあなたを、待ってるからね!!!

 

 そういうファンも居るってことを、ただ、声に出してみたかった。

 本人に届けようとも、誰かを責めようとも貶めようとも(でも暴言の奴らは責めても貶めてもいいと思ってるけどな!!!)、なんならこれが誰の目にも止まらなくてもいい。

 

 ただ。

 そういう決意でファンをやってます。

 と言いたかっただけ。

 

 最後に。

 本当にほんっっっとうに結婚おめでとう!!!!!